日々が曖昧

テストが始まる前のほんの一瞬がずっと続けばいい。

そんなことを、思ったことはない?

 

トヨタの4WD、V6が停まって、小さな女の子が助手席から飛び降りた。

 

ある日の昼過ぎ駅前で、名前なんか知らないアイドルが、白いついたてに三方と大勢のファンに一方を囲まれて歌っていた。

せーの、ハイハイハイ、一生懸命掛け声をかけて、オタ芸と呼ばれるあれをして、歌なんか、聴いちゃいない。

そんなファンよりも大きな声で、マイクは通してたけれどね、確かにそこで歌っていた、アイドルがいた。

舞台の後ろ、ついたての隙間から見えたアイドルの、白い脚がなんぼんもみえて、それで、泣きそうになった。

 

その脚にさようならをして、夜を待ったよ。